私は決してミニマリストではありませんが、極力、物は持たない様にしています。ミニマリストを否定するのは、ある程度は許容する派だからです。好きなもの、お気に入りのものに囲まれているのは良いことだと思いますし、生活感がある部屋の方が個人的には落ち着きます。只、いつもスッキリさせていたいと思っています。
お家の片づけって大変ですよね。特に子供がいるご家庭では日に日にモノが増えていく。積極的に片づけをするお子さんなんて、少数でしょうから、基本は小言を言いながら親が片づけることになるでしょう。
片づけって「現状維持」と思って行うと大変ですが、ちょっと見方を変え、「未来の為」「子供の為」と思って進めると、少しは気持ちが前向きになりませんか。
今回は、子供がいるということを前提に、家の中を整理すべき理由について思いを綴ります。
乱雑状態の5つの悪
私は「整理整頓されていない状態」に対して、5つの悪があると感じています。
- モノを探す時間の無駄
- 死んだスペースの無駄
- 思考停止状態
- いつも忙しい心理状態
- 頭の中の乱雑化
それでは、ひとつずつ説明していきます。
モノを探す時間の無駄
職場でも同じなのですが、「忙しい忙しい」と言っている人の殆どはデスク周りが乱雑なことが多い。「忙しさ」と「乱雑さ」のどちらが先に生まれたのかは分かりませんが、とても悪循環だと思います。
ただでさえ忙しいのに、モノを探している時間が別に必要になってしまう。仕事の場合は特に「時間=お金」の結びつきが強いので、金銭的に損をしていることになります。
ご家庭でも同じですね。不必要なモノがあふれている状態では、必然的に何かを探している時間は長くなります。1つ1つのシーンでは大した時間では無いかもしれませんが、積み重なるとどうでしょう。
そのモノを探している時間は、もっと有効活用できる可能性があります。新しいことに挑戦するなどの時間に充てることができるのです。
死んだスペースの無駄
「時間=お金」と同じ様に「空間(スペース)=お金」です。家賃はスペースに対しても支払われている訳ですから、有効に使われていないスペースはお金の浪費といえます。
もし家の中が整理がされて、新しいスペースが生まれたら、子供たちに本や欲しかった望遠鏡を買ってあげるとかして、死んだスペースが活きた価値のあるスペースに変わります。その様な状態であれば、家賃を払う価値も出てくるでしょう。
思考停止状態
それら時間とスペースがとても価値あるものだと気づけたら、創出する工夫を始めると思います。これは非常に頭を使う作業なので、特に子供にとっては意味のある活動になります。時間とスペースを創り出す為には、持ち物の価値を判断できるバランス感覚が必要です。
- 整理=捨てるという決断
- 整頓=定位置を決めるという決断
自分のものを捨てるというのは意外に難しいものです。使わないと分かっていても、何か思い入れがある。もしくはいつか使うかもしれない、と後ろ髪をひかれる。それでも〇〇だから、捨てるという決断が必要です。この〇〇だからと理由付けを、子供にさせることに大きな意味があると思っています。たとえその一回の判断が間違っていても、そこから学ぶことは多い。
スペースができたら、位置を決めて使いやすくするのが整頓です。整頓には、無限の組み合わせがあります。その無限の選択肢の中から、自分が使い易い、生活し易いと思う状態に絞り込んでいく、また使いながら修正していく。とても頭を使いますね。
いつも忙しい心理状態
仕事や家事・育児に、毎日毎日、忙しいと感じている方は多いと思います。ただでさえ仕事は忙しいのに、家にいてもなぜか忙しく感じてしまう。心の落ち着く場所が無い。その理由の1つに「家の中にモノが多い」が含まれませんか。
単純に、不必要なモノが家の中に溢れていることから、ゆとりが持てず、実際は忙しくないのに忙しく感じてしまう。そういう心理状態があると感じています。それが常態化すると、心が休まっていない状態が、普通になってしまう。無意識のストレスです。
溢れるモノを管理できていない=忙しい心理状態、この様になっていませんか。
整理するとは捨てる事です。モノを捨てる判断基準に「ときめく」か「ときめかないか」というのが流行りましたが、これはうまく出来ていると思います。
私のこの判断基準で大胆にモノを捨てていく事があるのですが、後で「捨てなきゃ良かったかな」と感じるものは、20個捨てたうちの1つくらいです。だったら捨てない方が良いかというとそうでは無く、1つの後悔よりも、20個捨てたメリットの方が大きいのです。メリットは、5つの悪を取り除けることにあります。
頭の中の乱雑化
これも仕事で例えると分かり易いのですが、デスク周りの状態は、その人の頭の中を現わしていると思います。デスク周りや仕事に関係するものが、整理されている人は、考え方も整理されており、筋道が通っている。反対に、デスク周りが乱雑な人は、考えが整理されておらず、無駄な動きが多いのです。結果、だらだらと長く働いている、そういう印象を受けるのです。
ご家庭でも同じです。「家の状態」=「頭の中の状態」。この様な見方で、お部屋を見渡してみると如何でしょうか?合っていませんか?
これは「思考停止状態」の項に繋がります。家の中が乱雑な状態が普通になってしまうと、何かの課題に対する考え方も遠回りしか出来なくなってしまいます。迷路を懸命に抜け出していくイメージです。進んでは行き止まり、引き返してみたが、居場所を見失う。効率が悪くなるのですね。
「思考停止状態」と「頭の中の乱雑化」は1対です。この状態を解消する行動は、慣れるまではトレーニングが必要です。とにかく、先ずはやってみるしかないでしょう。整理・整頓を意識し、実行するクセがついたら、結果、頭の中が整理され、論理的な思考に結びついていくでしょう。
親の背中を見て子供は成長するものだと思いますので、親がこれを行っていれば、子供も自然に当り前だと感じるようになる。自ら考えることで、頭が良くなる。
ここで注意したいのは、親はやらないのに、子供に期待するコト。これは、なかなか上手くいかない様に思います。勉強や仕事など全てに通じますよね。蛙の子供はやっぱり蛙でしょう。
あるべき姿(5つのメリット)
自ら考えることで、家の中を整理整頓された状態にし、そこに健全な心理状態や思考回路を伴わせるお話ししていますので、具体的にどうするかの方策は、それを考えることに意味があります。また個々の方針や目標のレベルがあると思います。
部屋が理想の状態になると、5つの悪は反転します。5つのメリットです。
- モノが管理され、時間が生まれる
- 有効に使えるスペースが生まれる
- 工夫しようと頭が働く
- 家の中に安らぎが生まれる
- 頭の中が整理され、論理的な思考ができる
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まとめ
今回は、子育て家庭の整理整頓された部屋の5つのメリットについて、紹介しました。言いたいことをまとめると、片付ける習慣や整理整頓された状態が、子供の成長に影響を与える可能性があるということです。単に出したものを片付けるというコトだけでは無く、将来を見据えて、時間とスペースをどう作り出していくか。これはとてもクリエイティブな作業であり、子供の頭を良くしていく仕組みにも繋がります。
整理整頓は、ご家庭で出来る簡単な取り組みでありながら、子供にとっては、試行錯誤する中で頭を鍛える、論理的な思考を得ることができるという大変意味のある作業です。「大人になる為の良い題材」と捉えて、うまく誘導しながら活用してみるのは如何でしょうか?「置き場所が無ければ、欲しいモノは買えない」、これは子供でも理解できると思います。それを利用してはどうか、今回はそんな提案をいたしました。
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