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2月9日はフグ(河豚)の日!フグってどんな魚?刺身を実食。

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魚の記念日は数ありますが、2月9日はフグ(河豚)の日で御座います。地方名を「フク」と呼ぶその語呂合わせ、2「フ」+9「ク」=11「フク」が由来です。これは、昭和55年にフグの産地として有名な山口県下関市の「下関ふく連盟」が制定したものです。

 

このブログのコンセプトの1つとして、魚食を推しつつ「丸魚を捌いて頂こう!」を掲げていますが、ことフグに関しては「素人は捌いて食べないで!」となります。

 

フグは毒を持つ事は、皆さんご存じだとは思いますが、これまでどれだけの犠牲があったのでしょう。それでも尚、これだけフグが人々から愛される理由は何なのでしょうか。(単にむっちゃ美味しいからですね)

 

そんなフグ(河豚)に今回はスポットをあてたいと思います。2月9日はフグの日!せっかくなので、少しだけフグのお話はいかがでしょうか。お堅い話からしていきますね。

 

 

フグの調理師(資格)

「ふぐ調理師」という国家資格があると思っている方が多いと思いますが、これは国家資格ではありません。なんとその認定は、各都道府県の条例に委ねられているのです。よって、資格そのものの名称や受験資格、そして試験内容も都道府県によって異なり、有資格者も基本はその都道府県内で適用という考え方です。意外ですね。

 

資格名称だけとってもランダムに挙げると、北海道「フグ処理責任者」、東京「ふぐ調理師」、愛知「ふぐ処理師」、大阪「ふぐ処理登録者」、福岡「ふぐ処理師」と様々。

 

認定方法も、厳しい試験がある都道府県がある一方で、講習の受講でOKという場所もあり、正直ムラがありそうです。良く言えば、地方がたどった背景を踏まえて、その特徴が出ていると言えるかもしれません。

 

フグの毒と中毒症状

ふぐ毒の正体はテトロドトキシンという物質です。肝臓や卵巣などの内臓、種類によっては皮、筋肉にも含まれます。厄介なのは、通常の鍋や唐揚げの様な加熱では無毒化されないこと(300℃でも✖)。その毒性の強さは青酸カリの10~1000倍ともいわれており、イメージとして、トラフグ1匹の毒は、ヒト10人分の致死量に匹敵するという記述もあります。また産卵期の春に毒性が強まるそうです。

 

ふぐ中毒の症状とはどういうものでしょう?安易な行動に走らないためにも、知っておくべき知識です。東京都福祉保健局の文章より引用します。

ふぐ中毒の経過は非常に早く、食べてから死亡までの時間は4から6時間位です。

  1. 食後20分から3時間までに、口唇、舌端、指先のしびれが始まります。頭痛、腹痛などを伴い、激しい嘔吐が続くこともあります。歩行は千鳥足となります。
  2. まもなく、知覚マヒ、言語障害、呼吸困難となり、血圧が下降します。
  3. その後、全身が完全な運動マヒになり、指さえ動かすことができなくなります。
  4. 意識は死の直前まで明瞭です。意識消失後まもなく呼吸・心臓が停止し、死にいたります。

 

フグの食中毒発生状況

危険性は分かりましたが、実際にどの程度の食中毒が発生しているのでしょうか?厚生労働省が発表している食中毒の発生件数を見てみましょう。

発生件数の表

10年で230件ですから、年間20件以上発生していることが分かります。そしてその原因の大半は、釣ってきたフグを食すなど、いわゆる「素人調理」にある様です。養殖より天然モノに毒が多いという報告もありますので、生半可な気持ちで調理をするのはとても危険ですね。

調理師免許のある専門家がいる店で食べることが原則です。

 

トラフグの基本情報

日本近海には約40種類のフグが生息している。そのうち食用とされるものには、マフグ、ハコフグ、シロサバフグ、ゴマフグ、トラフグなどがある。その中でもこのトラフグが最高級。

 

  • 標準和名:トラフグ(虎河豚)
  • 科:フグ科
  • 生息地:北海道から種子島
  • 旬:10~3月(産卵期前)。旬が鍋の季節と重なる!
  • 地方名:シロ(大阪・神戸), マフグ(山口・福岡), テッポウ(大阪), フク(山口)
  • 語源:怒るとフクれるから「フク」、エサを探すときに砂を水で吹くから「フク」など諸説ある。

 

大阪で「テッポウ」と呼ばれているのは想像がつきますね。漢字で書くと「鉄砲」で、当たると一撃で死んでしまうことが由来。それが派生して関西では「テッサ」はフグの刺身。「テッチリ」はフグの鍋となっています。

 

山口県下関市で古くから「フク」と呼ばれるのは、「福」の縁起の良さを担いで。「フグ」だと「不具合」と「不遇」に通じることから、敬遠されたと言われている。

 

フグと豊臣秀吉、フグと伊藤博文

えっ、何の関係があるの?と思われるかもしれません。この2人、実は正反対のことを実行した要人です。

 

天下を統一した豊臣秀吉が、次の目標に掲げたのが「明(みん)征服」。その拠点の一つが、下関です。ここで悲劇が起こります。フグの恐さを知らない別の場所から集まった兵士たちがフグを食し、次々に中毒死してしまったのです。それを見かねた秀吉は、終に1590年代後半に「フグ禁止令」を出すまでに至ったのです。秀吉にしてみれば、仕事にならん!ということでしょうね。それ以降、江戸時代でも原則禁止は続いたと言われています。

 

そしてお察しの通り、それを解禁したのが、初代内閣総理大臣にもなった伊藤博文です。博文は明治21年に下関を訪れた際に、ある料亭でフグを食しました。まだ禁止されていた時代ではあったのですが、その料亭は他の食材を切らした為、処分を覚悟でフグを出したそうです。しかし、フグを食べた博文は、その味を絶賛し、惚れ込んだ。しまいには、当時の山口県知事に交渉し「フグ解禁」させるまでに至ったということです。この解禁劇が引き金となり、全国で規制の緩和が進んだ様です。

 

今、美味しいフグが食べられるのは、伊藤博文のおかげかも。

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フグの魅力

フグの毒についての話をしましたが、その危なさを承知で、調理師免許という制度を作ってでも、食べたい理由は何なのでしょうか。フグは縄文時代の貝塚からその骨が発見されており、大昔から人はフグに魅了されてきたことが分かります。「河豚は食いたし命は惜しし」という言葉からも、昔から命がけで食してきた様子も窺えます。

 

そのフグの魅力はなんといってもその「歯ごたえのよさと、噛めば噛むほど口に広がる甘みと旨味」でしょう。それが堪能でいるのが刺身で、皿が透けて見えるほど薄く削いで食べるのは、その弾力ゆえです。「料理の王様」とも評されています。

 

そして可食部である「白子」も絶品と称され、焼いたり蒸したりして頂けます。

フグの白子の写真

皮は刺身に添えられますし、干したヒレは炙った後に熱燗を注げば、ご存じ「ヒレ酒」です。

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そして栄養について触れるならば、フグは高たんぱくで超低脂肪。その脂肪分は1%以下と魚の中ではかなり低い値。さらにその皮にはたっぷりとコラーゲンを含んでおり、健康にも美容にも効果があると言えそうです。

 

フグの漁獲量ランキング

さてそんなフグですが、産地はどうなっているのでしょうか。天然ものより、養殖ものが多く市場には出回っています。それぞれ1~3位までを見ていきましょう。

天然の部(2017年)

第1位 石川県 656t

第2位 北海道 478t

第3位 富山県 242t

養殖の部(2017年)

第1位 長崎県 2111t

第2位 熊本県 482t

第3位 大分県 254t

 

天然モノの第1位は石川県で約15%のシェア。養殖では長崎県が断トツの1位で全体の5割を越えています。2000トン越えです。ものすごい数字ですね。

 

意外なのは、フグのイメージの強い下関を要する山口県ですが、天然では214tで第5位、養殖は104tで第8位と、シェア第1位という訳ではないのですね。しかしながら、下関は各地で水揚げされた6割を越えるトラフグが一旦下関に集まり加工されるという要地となっていることは確かです。

 

尚、消費量は大阪が全国の6割を越え、第1位。1つの場所で6割消費というのは驚きです。確かに大阪の街を歩くと、ふぐ料理店はとても多いです。

 

全国の名物/ブランド

  • 石川県白山市・金沢市「卵巣のぬか漬け」
  • 若狭湾の「若狭フグ」
  • 大阪「てっちり」
  • 山口県下関市「フク料理」
  • 大分市「臼杵フグ」
  • 福岡県北九州市「関門のふぐ」
  • 長崎県島原市「ガンバ料理」
  • 長崎県上五島「かっとっぽ」

 

ここで実食

フグについて少しだけお勉強したところで、座学は一旦おいといて、愛されるフグの味、実際に食べて感じましょう。たまには奮発しちゃいますよ。定番のポン酢で頂きます。

フグの刺身の写真

フグの刺身の写真

フグ皮の写真

うんまぁ。美味しい!何が美味しいって、噛めば噛むほど口の中に広がる、旨みですよ。歯ごたえのある食感は、噛む楽しみを与えてくれる。そして噛むと広がる甘みがクセになり、噛む→旨み→噛む→旨み・・・の至極のループ。たまりません。

 

そしてフグ皮もコリコリ食感で違う美味しさを提供してくれます。皮の独特の味があり、身と皮を交互に食べると飽きがこない楽しさがありますね。

 

あぁ、美味しい。たまには食べるべきですよ、これは。

 

フグの料理

さてフグ料理には何があるでしょうか。通販でお取り寄せも可能です。

刺身

何と言っても食感が魅力の刺身(てっさ)で御座います。

 

鍋(ふぐちり)

雑炊

唐揚げ

ヒレ

その他にも

フグの珍味がたくさん御座います。

鮮度と塩が命!「ふぐ一夜干」

手仕事が支える伝統の味。石見名産 ふぐ味醂干

ふぐの旨味でほっと一息「ふぐぞうすいスープ」

豊かな味わいと独特の香り「ふぐのくんせい」

ふぐの旨さが活きる、独特の味「ふぐのたたき」

 

最後に

2月9日フグの日到来にちなんで、今回はフグを頂きました。高級品ではありますが、昔と違い、今はお店や通販でも安全に頂ける時代となりました。「河豚は食いたし命は惜しし」と謡われた理由を知りたければ、それは食べて見るしかありません!現代に生きる特権と言えるかもしれません。優越感に浸りながら(もちろん安全に)頂きましょう!

 

 

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