【まとめ】ティーバッグの袋の素材が公開されている商品（お茶など）

今回は、お茶・紅茶・麦茶・だしパック製品のティーバッグのバッグ素材に何が使われているかを調査します。主要製品をランダムにチェックして、公開されている場合は、その商品とティーバッグ素材をリストアップします。

あまり知られていませんが、このティーバッグは、その安全性や環境への影響が議論される対象でもあります。

• マイクロプラスチックが体に悪影響？
• プラスチックのゴミ問題

この記事では、これらの問題に対して素人の私がコメントするつもりはありません。

その代わりに、実際に各飲料ブランドがティーバッグ素材を公開しているのか？という疑問を調査したいと思います。また、私が調べた範囲で、マイクロプラスチックの安全性について、2社がその見解を公開していました。たいへん興味深いと思いましたので、引用して紹介します。

それでは調べた結果を共有しますね。

ブランド・商品・ティーバッグ素材のリストアップ

それでは、数ある商品の中から、私が調査した中で、バッグ素材を公表しているものの例をリストアップします。（膨大な商品数がありますので、全てはリストアップできません。代表的なものをピックアップしていますので、ご了承ください。）

ティーバッグのバッグ素材に関しては、商品への表示義務はないものと思われます。事実、私が調べた64社のうち、約3割程度の21社のみが公開しているという結果となりました（全体を見通しているつもりですが、もし抜けがあった場合は、申し訳ありません）。

公開されていたものは以下の通りです。

ブランド	商品	バッグ素材	URL
伊藤園	健康ミネラルむぎ茶オーツ麦ブレンド	生分解性フィルター （植物由来 ポリ乳酸）	参照
	健康ミネラルむぎ茶ティーバック	PET
	香り薫るむぎ茶 ティーバック	紙主体 （一部ポリエチレン）
	お～いお茶 プレミアムティーバッグ　など	ナイロン	参照
伊勢惣	釜煎り麦茶	無漂白紙	参照
一保堂	ー	生分解性フィルター	参照
オーケー	プレミアム 抹茶入緑茶ティーバッグ	ナイロン	参照
小川産業	つぶまる	生分解性フィルター （植物由来・ソイロン）	参照
小川生薬	徳島産桑の葉茶	無漂白紙	参照
小谷穀粉	北海道産OSKべっぴん黒豆茶	無漂白紙	参照
霧ト晴レ	ー	生分解性フィルター （デンプン原料）	参照
国太楼	ティーバッグでおいしい深蒸し掛川茶 など	生分解性フィルター	参照
三栄興産	麦茶	無漂白紙	参照
シルバーポット	マジェスティック タージリン、 アールグレイ、アッサムなど	ナイロン	参照
ティーライフ	ー	生分解性フィルター （植物由来）	参照
トップバリュ	オーガニック 三重県産 ほうじ茶	紙、綿	参照
TWG tea	イングリッシュ ブレックファスト、 シンガポールブレックファスト　など	コットン	参照
福寿園	みかん緑茶、くきと葉の焙じ茶 など	生分解性フィルター （トウモロコシ原料）	参照
Mariage Freres	マルコポーロ など	コットン	参照
ムソー	有機・無双番茶　など	無漂白紙	参照
山城物産	有機栽培麦茶　など	無漂白紙	参照
	大地と水のお茶　有機抹茶入り緑茶	生分解性 バイオマスプラ	参照
山本山	うじ、ほうじ、げんまい　など	ナイロン	参照
リプトン	ー	生分解性フィルター （植物由来）	参照
ルピシア	日本茶 ティーバッグ	ナイロン	参照

以上をまとめると、次の様な素材となりました。

• ナイロン
• ポリエチレンテレフタレート（PET）
• 生分解性フィルター
• 紙（無漂白）
• 綿（コットン）

ティーバッグのバッグ素材の特徴

今回、取り上げた5つのティーバッグ素材について、簡単にその特徴を書いておきます。

ナイロン

ナイロン製のティーバッグは、主に三角錐型の形状で、紅茶やハーブティーなどに多く使用されています。また、近年では、薄く軽量なナイロン不織布を使ったティーバッグも普及しつつあります。ナイロンは、耐久性やフィルター性に優れた素材です。以下のメリットがあります。

• 耐久性に優れ、繰り返し使用できる
• フィルター性が高く、茶葉の粉末や葉っぱがカップに落ちにくい
• 汚れにくく、清潔に保ちやすい

一方、リサイクルが難しい、石油由来であるため生分解性が無い点がデメリットです。

ポリエチレンテレフタレート（PET）

ティーバッグに使用されるPETは、主に三角錐型の形状で、紅茶やハーブティーなどに多く使用されています。PET製のティーバッグは、以下のメリットがあります。

• 耐久性に優れ、繰り返し使用できる
• 水や油に強いため、茶葉の粉末や葉っぱがカップに落ちにくい
• 分別すればリサイクルが可能

石油由来のプラスチックであるため、生分解性がありません。

生分解性フィルター

生分解性フィルターは、植物由来の素材で作られたフィルターです。主にトウモロコシなどのデンプンなどから作られています。生分解性フィルター製のティーバッグは、主に三角錐型の形状で、紅茶やハーブティーなどに多く使用されています。以下のメリットがあります。

• コンポスト環境で分解されるため、環境負荷が小さい
• 茶葉の風味を損なわない

耐久性は他の素材に比べて劣る点、値段が高い点がデメリットです。

無漂白紙

無漂白紙は、漂白剤を使用していない紙です。無漂白紙製のティーバッグは、主に長方形の形状で、家庭用のお茶や麦茶に多く使用されています。以下のメリットがあります。

• 茶葉本来の味を引き出しやすい
• 生分解性があり、環境負荷が少ない

一方で、破れやすさがデメリットです。湿気にも弱い為、保管には注意が必要です。

綿（コットン）

コットンは、天然繊維の一種です。コットン製のティーバッグは、主に巾着型の形状で、家庭用のお茶や麦茶に多く使用されています。以下のメリットがあります。

• 自然繊維であり、茶葉との相性が良い
• 生分解性があり、環境への負荷が小さい

一方で、耐久性が比較的に小さく、値段が高い点はデメリットといえそうです。

ティーバックの安全性への見解

私が調査した範囲では、以下の2社がティーバッグを使用する際のマイクロプラスチックの懸念に関してコメントしていました。

見方によってはネガティブな内容であるにも関わらず、この問題を公式で取り上げている点は、敬意に値すると私は考えます。それではご紹介します。

伊藤園

公式ページの「よくいただくご質問」に以下の様な記載が御座います。

ティーバッグのお茶を毎日使っていますが、マイクロプラスチックが溶け出すことはありませんか。

当社ティーバッグ製品においては、食品衛生法に基づいた資材の溶出試験において問題ないことを確認しています。
なお、ティーバッグからマイクロプラスチックが溶け出すという研究結果が一部で報告されていますが、研究結果を報告したチームでも、マイクロプラスチックの粒子が健康に及ぼす影響は不明だとしており、世界保健機関（ＷＨＯ）でも現状ではマイクロプラスチックによる健康被害はなさそうだとする報告書を出しております。一方でマイクロプラスチックは情報が限られているため、今後の研究結果や情報を踏まえ適切に対応してまいります。

ティーバッグのお茶を毎日使っていますが、マイクロプラスチックが溶け出すことはありませんか。 | よくいただくご質問 | お客様相談室 | 伊藤園 商品情報サイト (itoen.jp)

関連する内容として、マイクロプラスチック（プラスチックゴミ問題）に対応する形で、現在では生分解性のティーバッグ「エコティーバッグ」が使用されている製品が多くあります。

国太楼

お茶の国太楼は、創業以来「深蒸し」にこだわっているお茶とコーヒーの会社です。深蒸し製法で濃くまろやかな味わいのお茶を提供しており、静岡県菊川市に工場を構えています。

そんな国太楼のマイクロプラスチックに関するQ&Aがこちらです。

外袋・ティーバッグのマイクロプラスチックについて教えてください。

国太楼では、外袋やティーバッグなどに使用している容器包装について、
日本の基準に適合することを確認しております。（器具および容器包装規格試験）
ここで、溶出試験を行い5μｍ以下の残留物がないことを確認しております。
（１μmは1mmの1,000分の１）
どうかご安心してご利用ください。

よくある質問 | お茶とコーヒーの国太楼 (kunitaro.co.jp)

国太楼もティーバッグに生分解性素材を使用した、環境に配慮したお茶を販売しています。

まとめ

今回は、市販されているお茶・麦茶・紅茶・だしパックのティーバッグ素材に何が使われているか、公開されている情報をピックアップしてリストにしました。また、マイクロプラスチックについて見解が述べられている2社のコメントを引用しました。

この調査によって、ティーバッグの素材も様々あり、自分の用途や好みに合わせて使い分けることも出来ることに気付かされました。新しいものでは生分解性の素材のもの、プラスチック量を大幅に削減したものなど、環境配慮型のティーバッグもあることが分かりました。