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読書感想『The Next Person You Meet in Heaven』ミッチアルボム作(書評)

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今回は、ミッチアルボムのベストセラー小説『The Five People You Meet in Heaven』の続編『The Next Person You Meet in Heaven』を読了しましたので、その感想を記します。

本作品の主人公は、前作において遊園地作業員のエディが命がけで助けた女の子、アニーです。遊園地の事故で九死に一生を得たアニーですが、その小さな命はその後、どの様な運命をたどるのでしょうか?

出来るだけネタバレはさけつつ、本の要約と私の感想を述べていきます。それではスタート!

読書感想 The Next Person You Meet in Heaven 書評 読了 ミッチアルボム

目次(Contents)

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本の要約(あらすじ)

軍人から遊園地の整備士に転身したエディは、遊園地内で起こった事故の際、アニーという少女を救って自分自身は命を落とします。前作『The Five People You Meet in Heaven』(邦題『天国の五人』)は、このエディの物語でした。エディが生きている間に関わった重要な人物5人と天国で出会い、人生の因果応報について学んでいくという物語でした。重要な人物とは、エディー自身が大切に思った人という意味ではありません!エディ本人が関りが薄いと思っていたあの人が、重要人物として登場します。

▼こちらは前作▼

さて本作品『The Next Person You Meet in Heaven』は、前作でエディが救った少女アニーが主人公です。その事故で九死に一生を得たアニーでしたが、その後の彼女の人生も平坦ではありませんでした。

事故の現場に居合わせたアニーの母親は、罪悪感に苛まれます。出来るだけ事故を隠し、人目を避けるような暮らしを始めるのです。アニーはその暮らしの犠牲者となっていきます。

学校では同級生からいじめられ、思い出せない事故の記憶に悩まされながら、アニーは自分自身が他人に受け入れられることを求めながら生きていきます。そこには数々の苦悩がありました。しかし大人になったある日、アニーは幼い頃に恋したパウロに再会します。この偶然な出来事によって、アニーはようやく幸せをつかんだ様に見えました。

しかし悲劇はさらにアニーに襲い掛かります。アニーはパウロとの結婚式の夜、想像もしない事故に遭ってしまうのです。本作にはアニーの人生と彼女の天国での出会いが描かれています。

読書感想

全体を通して、アニーの人生は悲しく描かれています。幼少期の遊園地の事故から、結婚直後の悲惨な事故に至るまで、アニーの人生にはあらゆる災難が襲い掛かります。全ての出来事が不運でアニーは恵まれない境遇にあったのでしょうか。本作品には、アニーの死後の世界も描かれているのですが、それを知るにつれて、アニーの人生についての認識が変わっていきます。偶然な出来事。それがなぜか必然である様にも思えてくるのです。

私達は人生において「あの時こうしておけば良かった」とか「あの時にこの道を選んでいなかったら良かった」と思うことが、多かれ少なかれあると思います。その1つ1つの岐路にあって、我々はその道を自分自身で選択していると信じていますが、果たして本当にそうなのでしょうか?

簡単な例を示します。例えば、私がこの本を読んだのは、フィリピン人の友達が紹介してくれたからです。この友達が私にこの本の存在を教えてくれた背景を考えた時、そこには何らかの物語が眠っているはずです。私はそれが何かを知りません。そしてこの本に感銘を受けた私は、誰かの役に立つかもしれないとの思いから、読書感想をここに書いています。

もしかしたら、今この感想を読んでくれているあなたが、この本を手に取る事もあるかもしれませんね。そして仮にあなたがこの『The Next Person You Meet in Heaven』から何らかのインスピレーションを得て、人生の進む道を決める参考にしたとしましょう。そうすると、とあるフィリピン人の経験と思いが、あなたの人生に影響を与えたと言えませんか?そうです、全ては繋がっているのです。起こった結果には必ず原因があるのです。あなたの選択はあなた自身だけでなされている訳ではない、とも考えられるでしょう。

アニーの人生はとても悲しく痛みを感じるのですが、この本の終盤に差し掛かると作者であるミッチアルボム氏の伝えようとする主旨が見えてくる様に思えます。確かにアニーの人生は苦しい。しかし、世の中では至る所でこれ以上の悲劇が起こっているではありませんか。その悲劇は単に誰かの物語であって、我々には無関係な事なのでしょうか。無関係と思えばそれまでですが、実は何か我々に繋がろうという意図が隠されているのでは無いでしょうか。

遊園地でエディが犠牲になりながら、とっさの判断でアニーを助けた出来事。私はその答えが眠っている様に思えてなりません。悲劇だと思われるかも知れませんが、そこには必然性があったのです!その問いかけをアニーの物語と共に感じることが出来るのが本書の醍醐味です。

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まとめ

今回はミッチアルボムの小説『The Next Person You Meet in Heaven』の読書感想を記しました。少女アニーの物語には意外な結末が待っています。彼女の人生そして天国での物語を通して、読者は何を感じるのでしょう。とても感慨深い一作です。(和訳本はありませんので、洋書でお楽しみ下さい。)

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