今回は、高級魚「イシガキダイ(石垣鯛)」を捌いて頂きます。
浅い岩礁域に生息する魚って、食べると磯臭い種があるんですが、ことこの「イシガキダイ」にいたっては、安定して臭みの少ない美味しい魚だと感じます。その美しい白身は、甘さがあってクセはなくとても食べやすいんですよ。
新鮮な個体が手に入ったら、試したいのは何といっても刺身です!独特の弾力を持つ身質がなんともクセになりますね。高級魚である意味が分かってもらえると思います。
今日は三重産のイシガキダイを手に入れましたので、刺身、焼き霜造り、アラ煮、フライで楽しみたいと思います。
今回はイシガキダイ!真剣に向き合います。
イシガキダイ 基本情報
標準和名:イシガキダイ
科:イシダイ科
生息域:本州中部~南シナ海の沿岸
味わいの旬:冬、春
イシガキダイ 豆知識
- 石垣の様な模様があるから石垣鯛と言われることがあるが諸説ある
- 老成するとこの斑点模様が消え、口の回りが白くなる。よって「クチシロ」と呼ばれることもある。
- イシダイと同じイシダイ科の魚。この両種を掛け合わせた雑種が自然界にいることが知られている。
- 一般的にイシガキダイはイシダイより美味しいと言われる。
- シガテラ毒を持つ可能性のある魚。大型のイシガキダイでは毒素が濃縮されている為、中毒が起こりうる可能性があると言われている。特に釣り人が釣ったもので、市場を通さない2.5kg以上の大型の個体は注意すべきかもしれない。
イシガキダイ 本日の個体
産地:三重
体長:26cm(全長31cm)
体高:14cm
重さ:750g
価格:1650円(1kgあたり2200円)
▼おちょぼ口ですが、しっかりと硬い歯が特徴。この硬い歯で、貝やウニ、甲殻類を砕いて食べます。
背ビレも硬くて鋭いので、捌く時には注意してい下さい。
▼「イシガキダイ 釣り」をチェック
イシガキダイ 捌き方
それでは捌いてゆきましょう。ウロコは細かくて硬いので少し厄介です。ウロコ引きでざっと落とします。
細かい箇所は出刃包丁を使った方が、ウロコを落としやすい。
頭を落とします。
この様に内臓を傷つけずに取り出せると良いですよ。
アラ煮を作りたいのでアラの処理をします。魚を捌くときはキッチンバサミを使うと良い場合があります。私が使用しているのは、日本製のキッチンスパッターという商品です。
キッチンスパッターについてはこちらの記事を参考にどうぞ▶実践レビュー『キッチンスパッター』を骨の硬い魚に使ってみた(イサキ)
ブラシを使って背骨の下の血合いもキレイに取り除きました。
三枚おろしにする前に、水気をしっかり拭き取りましょう。これ以降は水を使用しません。
三枚に下しましょう。イシガキダイは丸っこい形をしているので、捌きにくい分類に入ると思います。
はい、この様に三枚のパーツに分かれました。
腹骨を削ぎます。
血合い骨を包丁で外して、腹と背の節に分けました。
魚を捌くときにあると便利な道具はこちらに紹介しています▶魚料理(さばく/おろす)に便利・おすすめ道具!
イシガキダイ 料理
石垣鯛 刺身(お造り)
新鮮な個体なら、刺身で食べるのが断然おすすめです。硬い皮を引きましょう。
皮はしっかり硬いので、引きやすいです。朱の色合いが美しい!
この様に盛り付けました。爽やかな色合いですね。美味しそう。
それでは、お味はどうかな。いただきます。
強めの身の弾力が独特だね。脂は多くないけど、甘みとこの食感が特徴だぁ。クセが無くてとっても美味しいよ。
▼イシガキダイの様な白身魚で試してもらいたいのが、スダチの汁と塩の組み合わせです。とにかくサッパリといただけます。魚本来の味も楽しめる食べ方ですよ。
▼「スダチ」をチェック
ちなみに削いだ皮は細切りにして湯がいてみて下さい。
刺身に合わせると、また別の味わいが楽しめます。
石垣鯛 焼き霜造り(炙り)
イシガキダイは皮目を炙っても楽しむことができます。いわゆる「焼き霜造り」ですね。皮は硬いので、とにかくシッカリ炙ってください。
炙り終わったら身に熱が通り過ぎない様に冷やすのが良いです。私はいつも冷蔵庫で冷やしておいた保冷剤を使います。形がフィットするし、水を使わないので便利です。
皮の硬さを緩和してより食べやすくする様に、切れ目を2~3本入れましょう。
イシガキダイの焼き霜造りの完成です。
お醤油でいただきます。
うん、美味しい。皮にも旨みがあるんだね。イシガキダイの皮はしっかり火を通すのがポイントだね。
▼「調理用バーナー」をチェック
石垣鯛 アラ煮
イシガキダイのアラからは良い出汁がでますし、頭にも魚肉が付いていますので、潮汁やアラ煮を楽しみましょう。今回はアラ煮にします。
▼塩を振ったアラに熱湯を掛け、ウロコや血などの汚れを水浴でしっかりとりましょう。
お酒、水と生姜を入れた鍋で煮てゆきます。
アクをすくったら、砂糖と醤油を入れて15分程煮込みます。
イシガキダイのアラ煮の完成です。ホホ肉が特に美味しかった!
イシガキダイの仲間「イシダイ」の記事もあります。こちら▶イシダイ(石鯛)の縞って縦?横?捌いて刺身とソテーで頂く。
石垣鯛 ハラミフライ
腹身は衣をまとわせて白身魚のフライとしました。皮の硬さが食感の良さに変わり、万能なポテンシャルの高い魚であることを再確認。美味しかった!
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まとめ
今回は、三重産のイシガキダイを刺身やアラ煮で楽しみました。高級魚ではありますが、時々鮮魚店でも見かける魚種です。硬いトゲに気を付けつつ、丸魚から捌くのを楽しむのも良いのではないでしょうか? 独特の弾力と甘みをお楽しみください。
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