魚へんに春と言えば、サワラ(鰆)。本日はサワラを頂きます。
春と書くのはたくさん獲れるのが春であることに由来します。一大産地である瀬戸内海では4~6月に産卵期を迎えたサワラが漁獲の旬を迎えます。恐らく真子や白子を食べる文化も根付いているので、この時期のサワラを待ち望んで昔から食されたのでしょう。
一方、脂が乗るのは、もっと寒い時期。 1~2月に獲れるサワラは関東では「寒鰆」と呼ばれ、珍重されています。つまり味の旬は、冬ということになりますね。
さて、ここにサワラが御座います。頭側Aと尾側B、食べるならどちらを選びますか?
一般的な魚であれば、断然頭側Aです。しかしながら、ことサワラ(鰆)に限っては、尾側Bが美味しいと言われています。その理由は泳ぐ際によく使う部分だからだとか。スーパーなどで切り身を買うときも、尾側を買うと良いとされています。食べ比べしてみるのも面白いかもしれませんね。
一般的に足が速い(腐りやすい)と言われるサワラですが、物流の進歩の恩恵で、関東でも刺身で食べれる鮮度のモノが手に入るようになりました。サワラの刺身、本当に美味しいんですよ。本日は皮を炙って頂きます。炙りにするのは以下の理由からです。
- 皮と身の間が旨みが多いので、そこを逃したくない。
- 皮が固めなので、火を通して食べやすくしたい。
この方法は、特に小さめのサワラに適した料理方法と言えそうです。小さいサワラ(サゴシ)は身が淡泊なので、出来るだけ旨み成分を逃さない様にしたいのです。
ほら市場で見つけましたよ、刺身鮮度のサゴチ1本900円。これならリーズナブル、財布に優しい。サゴチと書かれていますが、これは関東での呼び名ですね。
今回は サワラ(サゴシ)!真剣に向き合います!
サワラの基本情報
標準和名:サワラ
科:サバ科
主な産地:瀬戸内海、福岡、長崎、島根、石川、京都、福井
旬:11~3月
サワラのマメ知識
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「サワラの値段は岡山で決まる」と言われるほど、岡山で非常に好まれた魚
- 出世魚。50cmまでをサゴシ(サゴチ)、50~60cmをヤナギ、それ以上をサワラと呼ぶ。
- 大きくなるほど値段は高くなる。
- サワラの語源は「狭腹」と言われている。腹の位置が狭い、スリムな体形から来ている。
本日の個体
産地:京都
体長:43cm(51cm)
重さ:850g
価格:900円(1kgあたり1060円)
刃が鋭い。口の中は小魚でいっぱいです。体には張りがあり、新鮮さが伺えます。目もキレイですね。
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サワラの調理
サワラを捌く
サワラは非常に身が柔らかい魚です。乱暴に扱うと直ぐに身割れを起こしてしまいます。優しく扱ってくださいね。
ウロコはありません。包丁で撫でて、ヌメリを取ります。肛門までの腹を割って、頭を落としましょう。
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背骨の下に血合いが入っているので、骨抜きの柄や歯ブラシを使って、キレイに取り除きましょう。
はい、キレイになりました。
これで下処理は終わりました。次に3枚に下します。
先ずは2枚。キレイで艶やかな身。美しい。
そして3枚に下しました。
サワラの血合い骨(小骨)は、頭側のこの部分の身にだけ入っています。それよりも尾側には、入っていません。これを知っておくと、捌きやすいです。この位置で、頭側と尾側の身を半分に切り分けると調理しやすいと思います。
骨に付いた身はもったいないので、スプーンでこさいで、味噌汁に入れます。それなりに残ってますね。。。残したんですよ。。。わざと。。。
腹骨もそぎますよ。刺身包丁があると便利です。
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頭側の身の半分には血合い骨があるので、この様に切って除きましょう。
切り分けました。
サワラの炙り刺身
それではメインイベントです。炙っていきます。ここが一番緊張します。網の上に、サワラの刺身を乗せまして、
ジャン。バーナー。
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それでは心を整えて、点火!バチバチ、いい音。香ばしい香り。皮目に均一に火を通すイメージです。この後、身に火が通り過ぎない様に、冷水に取るのも方法もありますが、ご家庭で頂く分には、そこまでは必要ないと個人的には思います。
刺身を切って盛りつけたら、サワラの炙りの完成です。レモンが良く合います。
皮目が香ばしくて美味しい。そして身はネットリ。臭みはないけど、コクはしっかり。
サワラの刺身は本当に美味しいですね。物流の進歩に感謝しかありません。
料理用バーナー、あると便利です。魚だけでなく、田楽などの焼き物やおつまみ(珍味類)、それからスイーツにも活用できますね。私はもっぱら、刺身の炙りです。香ばしさが病みつきになります。
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まとめ
今回は、魚へんに春と書く魚、サワラ(鰆)を頂きました。生で良し、煮て良し、焼いて良し、万能な魚と言えるでしょう。そして、新鮮なものが手にはったら刺身や炙りを試していただきたい。安い保存用の漬け魚(サワラ)のイメージで、もしかしたら敬遠されている方もおられるかもしれません。しかし、新鮮なサワラを食べて見て下さい。あぁ、こんなに美味しいのか、と驚かれるはずです。
▼それから上田勝彦さん流の「サワラの炊かず飯」、これは一度試していただきたい!平たく言って、むちゃうまいです。